CW-Note
会計検査院:滝川の介護タクシー詐欺 市側の不当支出認定 07年度決算検査報告で
- 2008-11-09 (日)
- 実施要領の取扱い(課)
会計検査院が7日公表した07年度決算検査報告で、滝川市の夫婦らが介護タクシー代として生活保護費を詐取した事件について「通院移送費(介護タクシー代)の支給が適正に行われず、国が負担した1億7914万5000円の交付は不当な支出」と認定した。夫婦に支給した約2億4000万円のうち、国の負担分の4分の3のほぼ全額を不適当とした。これを受けて厚生労働省は近く、補助金適正化法に基づき、滝川市に年度内の全額返還を命じる。「法的手続きに過失はなかった」としていた滝川市も返還の具体策の検討を始めたが、市内部からは困惑の声も聞かれた。
読売新聞(’08.11.8)
通院移送費の支給が適正に行われなかったというのはその通りだと思います。
……が、国庫負担金を全額返還するというのはストンと腑に落ちません。当然、市の会計から返還されることになるのですが、そのお金は市民の税金に繋がる訳です。生活保護の不正受給の損害を市民が負担するということになるんでしょうか? 市が国に返還した場合は、住民監査請求などが行われるでしょうし、市とその地域に住む住民が場合によっては争うことになりかねません。それは……どうなんでしょうか? なにか違う気がしてならないのですが。
過去のエントリ
- 『ひとみ被告、共謀否定 滝川保護費詐取 控訴審 「知らぬうち仲間に」』/(’08.10.20)
- 『裁判:滝川介護タクシー代不正受給 住民訴訟の第1回口頭弁論』/(’08.9.28)
- 『滝川市長らに賠償請求 保護費詐取で市民169人提訴 2億3900万円』/(’08.7.15)
- 『片倉被告に懲役13年 滝川保護費詐取 札幌地裁「予算を食い物」 妻は8年』/(’08.6.25)
- 『保護費詐取 滝川市、被告夫婦らを訴え 3460万円賠償請求』/(’08.6.22)
関連記事
- 『生活保護費詐取「重く受け止める」 会計検査院報告で滝川市長』/北海道新聞(’08.11.8)
「福祉」無駄遣い集中 国庫負担金 船橋市3350万円過大 検査院指摘
- 2008-11-09 (日)
- ニュース
会計検査院が7日公表した2007年度の決算検査報告で、県内では生活保護や国民健康保険など福祉分野に集中して国費の無駄遣いが指摘された。市町村別では、船橋市が生活保護費関連など3件で計約3350万円も余計に負担金交付を国から受けており、件数、金額とも県内で最も多かった。
県内の自治体が指摘を受けたのは、▽生活保護費▽国民健康保険の療養給付費負担金▽同保険の財政調整交付金▽在宅福祉事業費▽介護保険▽介護給付費――の国庫負担金。それぞれ制度を理解していなかったり、チェック漏れがあったりしたため、国から過大な支給を受けていた。
読売新聞(’08.11.8)
会計検査院による指摘ですが、日本経済新聞で報道されているようなケースワーカー等による詐取は問題外ですが、預貯金や就労収入隠しを発見できなかったことだけをもって国庫負担金の過大受給というのは納得がいきません。
生活保護にかかる費用の3/4は国が負担し、1/4は地方自治体が負担することになっています。そもそも、生活保護制度は全国同一の国の定めた基準に基づいて行うもので、地方自治体には「ウチの市は生活保護やらない」ということができません。国庫負担金が補助金のような扱いを受けて、安易に返せというのはちょっと違う気がします。
関連記事
- 『高松、坂出、丸亀で補助金扱い不適当』/朝日新聞(’08.11.8)
- 『会計検査院:07年度決算報告 高松市などのミス指摘 /香川』/毎日.jp(’08.11.8)
- 『県関係9件、5151万円/決算検査報告で不適切指摘』/四国新聞社(’08.11.8)
- 『国費無駄遣い1253億円 保護費詐取・年金便再発送…』/朝日新聞(’08.11.7)
- 『生活保護事業、補助金詐取1億4000万円 会計検査院報告』/日本経済新聞(’08.11.6)
「下手な芝居はやめなさい」と裁判長が一喝、「全盲」詐欺の被告に実刑判決
- 2008-11-06 (木)
- ニュース
視力障害1級の認定後に運転免許を更新。
全盲の視力障害を装って札幌市から生活保護費の障害者加算分などをだまし取ったとして、詐欺罪に問われた丸山伸一被告(51)の判決公判が6日開かれ、札幌地裁(嶋原文雄裁判長)は求刑通りの懲役4年の判決を言い渡した。
丸山被告は1999年4月に、「視神経炎、全盲」と診断され、視力障害1級の認定を受けた。2003年10月から受給した生活保護費には障害者加算分とホームヘルパーによる介護サービスが含まれていた。
BrainNewsNetwork(’08.11.6)
断罪と言っていいでしょう。裁判長もよほど腹に据えかねたのか、「下手な芝居をするな」とまで言い、求刑通りの判決でした。
生活保護を喰いものにする犯罪を今後どうやって防ぐのか、不正受給に対しての対応を様々な専門機関と協力する必要があります。
過去のエントリ
- 『視覚障害詐欺事件 全盲を装った被告に懲役4年を求刑』/(’08.10.22)
- 『札幌・全盲偽装生活保護費詐欺:詐取さらに190万円 男を追送検』/(’08.3.17)
- 『札幌の視覚障害偽装事件 市、状況把握に限界 性善説前提「疑えない」』/(’08.2.28)
関連記事
- 『裁判:視力障害を装った男に懲役4年の実刑判決 札幌地裁』/毎日.jp(’08.11.6)
- 『視覚障害詐欺に懲役4年 札幌地裁 全盲装う被告に「芝居やめなさい」』/北海道新聞(’08.11.6)
- 『生活保護費詐取に懲役4年 「芝居やめろ」と裁判長が一喝』/47NEWS(’08.11.6)
- 『「全盲」詐欺に裁判長「下手な芝居やめよ」と一喝、実刑判決』/読売新聞(’08.11.6)
- 『「下手な芝居はやめなさい」=裁判長、被告に実刑-視覚障害装い詐欺・札幌地裁』/時事通信(’08.11.6)
生活保護制度改革で協議開始 国と地方、08年度中に方向性
- 2008-11-06 (木)
- ニュース
舛添要一厚生労働相と谷本正憲石川県知事ら地方自治体の代表は4日、生活保護制度の改革に関する政策協議の初会合を開いた。受給者の自立支援や不正受給の防止策、生活保護費の約半分を占める医療扶助の見直しについて重点的に協議することで一致した。2008年度中に改革の方向性を固める方針だ。
日本経済新聞(’08.11.4)
一報なので具体的な協議がどう進んでいくのか分からないところがあります。
今後の報道を引き続き見守りたいと思います。
暴力団員が生活保護費を不正受給 千葉
- 2008-11-06 (木)
- ニュース
暴力団組員であることを隠し、不正に生活保護費を受給していたとして、千葉県警捜査4課などは29日、生活保護法違反(不実の申告)の疑いで、我孫子市布佐の指定暴力団松葉会系組員、君村賢一(61)と、野田市中野台の元同組組員、青木武志(61)の両容疑者を逮捕した。ともに容疑を認めているという。
調べでは、君村容疑者は今年7~10月、「今は暴力団員ではない」とうそを言い、生活保護費計約30万円を4回にわたり不正に受給した疑い。青木容疑者も同様の方法で生活保護費計約72万円を千葉県から不正に受給した疑い。
産経新聞(’08.10.30)
暴力団員による不正受給事件がよく報道されるようになっています。
暴力団に対する対策が進み、生活保護を資金源にしている構図が浮かんできます。京都市では対策協議が行われるようになったことも報道されていますし、警察との連携をそれぞれ深めていただきたいと思います。
関連記事
- 『生活保護費、組員70人が不正受給 埼玉、立件も視野』/朝日新聞(’08.11.3)
- 『生活保護費不正受給:暴力団員、初の逮捕 2組員、容疑を認める /千葉』/毎日.jp(’08.10.30)
- 『生活保護費不正受給 容疑の暴力団員逮捕』/読売新聞(’08.10.30)
三重・鈴鹿市、書類放置し支給 通院費詐欺
- 2008-11-05 (水)
- ニュース
三重県鈴鹿市の生活保護費詐欺事件で、同市が無職越山佳宏被告(44)=同市東磯山=の生活保護費関係書類の決裁を少なくとも半年以上放置しながら、同被告らに通院時のタクシー利用を認める通院移送費を支給していたことが関係者の話で分かった。
生活保護費を担当する市生活支援課では通院移送費の請求内容をうのみにし、県の監査などがある時に書類の体裁を繕っていた可能性がある。24日まで同市に特別監査に入った厚生労働省は公金支出のチェック体制に問題がなかったか調べている。
中日新聞(’08.10.27)
不正受給の経緯を調べる中で浮かびあがった問題ですが、ちょっと杜撰すぎる事務処理です。
ケースワーカーの記録などを決裁する査察指導員(SV)は、一日に決裁する保護記録も多数に及ぶことも多く、定例の支払いや移送費のように毎月続くような定期的な決裁は簡略化したいという気持ちが働いてしまうのは理解できないわけではありません。
ただ、北海道滝川市の巨額な移送費詐欺があったように、今、特に注意しなければならない事務な訳で、もう少しどうにかならなかったのかなぁという気がします。
過去のエントリ
- 『詐欺:生活保護制度悪用、92万円詐取 捜査2課・鈴鹿署、2容疑者を逮捕 /三重』/(’08.9.28)
関連記事
- 『三重・鈴鹿の通院費詐欺 近所住まわせ名義利用』/中日新聞(’08.11.5)
- 『受給者印、鈴鹿市が押す 生活保護事務で500本預かる』/中日新聞(’08.10.28)
生活保護:母子家庭で母の3割、心に病 DV、虐待…問題複数抱え--大阪府内調査
- 2008-10-31 (金)
- ニュース
大阪府内で生活保護を受給する母子家庭のうち、母親が強いストレスが原因とみられる精神疾患を患っている世帯は約3割に上ることが、堺市健康福祉局の道中隆理事の調査で明らかになった。ほとんどがDV(ドメスティックバイオレンス)、児童虐待などの貧困要因を複数抱えていることも判明。生活保護が親から子へ引き継がれる世代間連鎖は約3割に上った。道中理事は「健康面での生活支援も必要だ」と指摘する。
調査は、府内の214世帯を抽出して分析した。母親が何らかの病気を患っているのは131世帯(61%)で、うちパニック障害や心身症などの精神疾患は72世帯(34%)だった。
毎日.jp(’08.10.24)
ここしばらくの生活保護の記事の中でも最も大事な記事。
母子家庭の子供が、母子家庭になって生活保護になり2世代、3世代と連鎖することがあります。その多くは母親や祖母と同じ問題を抱え、自立することは非常に難しいものです。
母子世帯の母親は当然ながら「稼働年齢層」にあることが多く、ケースワーカーの立場からすると「どうして働かない。働こうとしない。」という感情にとらわれがちです。道中理事の調査はサンプル数は少ないのですが、ケースワーカーが接する受給者が表層的に現れる問題だけを抱えているのではないということを表しています。
生活保護の対策はここしばらく世帯を自立させるにはどうすれば良いか、就労を支援するのはどうすれば良いかという方向に進んでいます。
生活保護を繰り返させない、次世代に引き継がないという考え方に立った対策を考える必要が出て来ているのではないかと思います。
懲戒処分:生活保護費紛失、職員停職1カ月--中野区 /東京
- 2008-10-31 (金)
- ニュース
中野区は24日、生活保護受給者の代理で預かった保護費計約20万円をずさんな管理で紛失したとして、男性職員(54)を停職1カ月の懲戒処分にしたと発表した。上司の男性副参事(53)は戒告処分。田中大輔区長と副区長3人も同日、減給10分の1(1カ月)にする条例案を議会に提出し、可決された。
区によると、職員は06年度から生活保護の担当となったが、長期入院する受給者の代わりに受け取った保護費を職場のキャビネットに放置するなどして5世帯分計19万8089円を紛失した。今年4月の異動の引き継ぎで発覚した。不明金は発見されず、職員が全額弁償した。
職員は自分の所持金から受給者の交通費などを立て替える行為もしており、区は「横領ではなく、自己の所持金と預かり金を混同して管理したことが原因」と話している。【前谷宏】
毎日.jp(’08.10.25)
ケースワーカーは直接現金を扱う機会が多いので、今回の事件のようになってしまう危険性があります。
長期入院している受給者の保護費を代わりに受け取るというのは行き過ぎだと思いますが、受給者の交通費を立て替えるなどは、「できないことをできない」と言えない弱さがあったんじゃないでしょうか。ケースワーカーが孤立しないようにすることが必要だと思います。
詐欺:生活保護費を詐取容疑、暴力団員2人逮捕 京都市が対策本部 /京都
- 2008-10-30 (木)
- ニュース
収入があるのに申告せず、京都市から生活保護費をだまし取ったとして、府警組織犯罪対策2課と五条署は22日、伏見区深草西浦町2の暴力団幹部、水門貞貴容疑者(69)と、下京区梅湊町の同組員、中居清彦容疑者(48)を詐欺容疑で逮捕した。
調べでは、水門容疑者は06年5~10月、交通事故での保険金約152万円の収入があったのに市深草福祉事務所に申告せず、同年8月~08年2月、生活保護費として計273万円をだまし取った疑い。中居容疑者も同様の手口で06年10月~08年4月、市下京福祉事務所から計251万円をだまし取った疑い。
毎日.jp(’08.10.23)
暴力団員の不正受給の記事が最近目立つように思います。以前は闇に消えていた不正受給が少しずつ表に出るようになってきたと思っていいのではないでしょうか。
警察との連携はもっと密になって欲しいなと思います。
関連記事
- 『京都市:生活保護費詐取で府警と連携し対策、協議会を設置 /京都』/京都新聞(’08.11.8)
- 『生活保護費で連絡協も不正受給受け京都市と府警』/京都新聞(’08.11.7)
- 『暴力団の不正受給防止へ対策協 京都市と府警合意』/京都新聞(’08.10.28)
- 『詐欺容疑で会津小鉄会幹部を逮捕』/ニッカンスポーツ(’08.10.24)
- 『生活保護費を不正受給 男2人を詐欺容疑で逮捕』/京都新聞(’08.10.22)
生活保護:門前払い? 申請・開始率、ともに全国最下位--各市の福祉事務所 /富山
- 2008-10-30 (木)
- ニュース
06年度に県内各市の福祉事務所が受け付けた生活保護の相談のうち、相談者が実際に申請した割合(申請率)は30・4%、受給に至った割合(開始率)は27・4%で、いずれも全国最下位だったことが分かった。県の生活保護受給者の割合(保護率)は95年度以降、全国で最も低いが、市民団体などは「生活保護が必要な人が少ないのではなく、窓口で門前払いしているだけ」と批判している。
毎日.jp(’08.10.25)
生活保護の申請率、受給率だけをもって「門前払いが多い」というのはちょっと違うんじゃないかなと思います。統計資料というのは、都合良く読もうと思えばいくらでも自分たちの主張に有利なように見ることができますので気をつけないと。
申請に至らなかった相談者の追跡調査。他施策に繋がった例もあるでしょうし、もしもその値が高ければ「なんでもかんでも生活保護で対応するのではなく、きちんと適切な施策や機関に繋いだ」と評価しなければなりません。
生活保護の相談に来られる方は、全て生活保護が必要とは限りません。なるべく早く、当人にとって最適な支援策を考えるのも福祉事務所の仕事です。
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